研究紹介

グループデータ生成モデルを用いたFew-shot異常検知

「異常検出」は画像分析において重要なタスクである.特に「画像に基づく異常検出」は,工業製品の不良品検査や医療画像からの病変の診断などのアプリケーションが考えられる.この目的のために,与えられたデータの確からしさを推定する確率モデルがよく用いられる.特に高次元データである画像に対しては,複雑な構造を捉えるために,深層学習に基づく確率モデルである深層生成モデルが有効である.

深層生成モデルの学習には膨大なデータが必要なので,新製品に対して用いることは出来ない.仮に用いた場合,新製品は訓練データセットに存在しないため,正常なデータであっても不当に低い確からしさを割り当ててしまい,誤検出をもたらす.そこで,既存の製品で十分に訓練した深層生成モデルを上手く流用し,数少ない新製品のデータを用いて異常検知が出来ないだろうか.この問題設定を「few-shot異常検出」と呼ぶ.

各製品は型番ごとにグループを形成していると考える.既存の製品は既知グループに対応し,新商品は未知グループに対応する.そして,グループごとに固有の特徴と,個々の製品に固有の特徴に分離する深層生成モデルを提案する.このモデルは,未知グループにある異常サンプルを効果的に検出でき,また正常・異常の基準となる閾値の決定も自動的に行えることを示した.

本研究は地球快適化インスティテュート様との共同研究『工場の屋根画像から錆の検出を可能にする、再学習不要な異常検知アルゴリズムの研究』の一環として実施された.

  • Kazuki Sato, Satoshi Nakata, Takashi Matsubara, and Kuniaki Uehara, “Few-shot Anomaly Detection using Deep Generative Models for Grouped Data,” IEICE Transactions on Information and Systems, vol.E105-D, no.2, pp.436-440, 2022. (link)

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